間取りの在り方
認知症の方々が抱えやすい不安に、以下のようなものがあります。
「自分はこれからどうすればいいか分からない。誰かに相談したい。」
「(家族が入院したと連絡を受けたので)いますぐ病院に行かないといけない。」
「トイレに行きたいが、場所はどこだろうか。」
「ここの料金を支払わなくて大丈夫だろうか。」
認知症対応型の介護施設では、
ふとした瞬間に訪れる、認知症の方々の孤独や不安に対して、
その場で、いつでも相談でき、解決できる生活環境づくりが求められています。
生活環境の基本は、間取りです。
広々としたワンフロアを中心とした間取りには以下の効果が期待されます。
【メリット】
① 常に、人の存在を感じながら生活することができる。
② 日中帯は、みんなで肩を寄せ合い、フロアを居場所した生活を習慣化できる。
③ 食席以外にも、居場所を複数、用意できる。他者と適度な距離感を保てる。
④ 本人の不安な心情を素早く察知し、対応できる。未然に防止策を講じることが可能。
反対に、アパートやマンションのようなタイプの住まいの場合、
個人のプライバシーが尊重され易い反面、困りごとに即応できないことや、
生活実態としては「孤独になりがち」というデメリットがあります。
どちらの生活環境で日常生活を送ることが、その人にとってメリットが大きいか、
現在の状態と近い将来の見通しを、よく考えた上で介護サービスを選択する必要があります。
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